感染性食道炎として食道カンジダ症、単純ヘルペス(HSV)食道炎とサイトメガロウイルス(CMV)食道炎などがよく知られている。これらの食道炎は背景因子として免疫不全状態を有することが多く基礎疾患の診断契機となることが重要であるが、混合感染を示す例などの内視鏡診断は必ずしも容易ではない。また、H.pylori以外の感染性胃炎として、胃結核、胃梅毒、CMV胃炎、胃カンジダ症などが知られているが、これら特殊型胃炎は診断に苦慮することが少なくない。さらに、Whipple病、糞線虫症、ランブル鞭毛虫症などは十二指腸病変が診断契機となるがその臨床像・内視鏡像が周知されているとは言い難い。そこで本号では…